内緒にしたい心理学テクニック

心理学カウンセラーの先生から教えてもらった心理学の勉強ノート

なぜ、「ゲームに熱中し、食事を与えず死亡」のような事が起きるのか?

ゲームってやりだしたら、「あと少しあと少し」ってついついやりすぎてしまうんですよね!

そう言えば、ふとすき間時間にあなたを見るといつもゲームしているよね!

ん~ついついやってしまうんですよね!時間を忘れるぐらい熱中してしまうこともあるんですよね!

分かったわ!それでは、なぜそんなことが起こるのか?この前ニュースで紹介されていた事故をベースに解説しますね!

2017年10月、ゲームに熱中しすぎた結果、1歳1か月の息子の世話をおろそかにしてしまい、挙句に死亡させたとして、両親が逮捕されました。

いくらゲームに熱中したからといって、わずか1歳の我が子にろくに食事も与えずに死亡させてしまうなど、普通に考えたらありえないです。

この事件に限らず、ゲームにお金を使いすぎ強盗をするなど、ゲームが原因で常識では考えられない事件が起きます。

これは一体どういうことでしょうか。

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ゲーム依存という病気

生活の中の楽しみとして、ゲームをするのは全く問題ないです。

ゲームは何かと悪者にされがちですが、上手に使えば認知症予防にもなります。

子どもにとっても試行錯誤しながらクリアすることで培われる能力もあります。

今はゲームを仕事にしている人もいて、そのためにかなりトレーニングも積んでいる方もいます。

それも立派な職業だと思います。

なんでもそうですが、付き合い方なのです。

付き合い方を間違え、日常生活を破壊してしまうくらいのゲームにめりこんでしまう人にとっては、ゲームは「毒」といっても過言ではありません。

ゲームに熱中するあまり、犯罪にまで手を染めたとなると、自分の人生を台無しにしたというだけではすみません。

これは世界的にも問題になっていて、2018年6月にWHOは「ゲーム依存症」を精神疾患として認定しました。

つまり、ゲームで家から出ることができず生活が成り立たなくなってしまったり、借金で首が回らなくなるような状態は病気だということです。

ですから、自分や家族だけで治そうと思っても治らない可能性が高いのです。

ゲームに熱中しすぎてしまうので、人間関係はオンラインのみとなります。

顔を合わせる人間関係は消滅してしまうのです。

学業もおろそかになります。

仕事にも支障をきたすようになります。

挙句に頭痛や倦怠感などの身体症状まで出てきます。でもゲームがやめられないのです。

スマホのゲームで、これ以上課金したら払えなくなるとわかっていても課金してしまうようになるのです。

依存症を甘くみてはいけない

ゲームに限らず、依存症は人生を破壊します。

アルコール依存やギャンブル依存を思い浮かべればイメージしやすいと思います。

ゲームはアルコールと違い、昔からあったものではないので、依存症とは結びつきにくいかもしれませんが、深刻さは同じです。

依存症とは、人生の主役を、ギャンブル中毒の方はギャンブルに、アルコール中毒の方はアルコールに明け渡してしまっている方のことです。

ゲーム依存の方は人生の中心がゲームになってしまっているのです。

人生の楽しみとしてゲームをやっている分には、ゲームは人生の主役になっていないので、少々はまっていてもそれほど目くじらを立てることはないと思います。

しかし依存症となると話は変わってきます。

ゲームのために生きている状態なのです。

それでは主体的な人生など生きられません。しかしここが依存症の厄介なところですが、自分の意思だけでやめられるものでもないのです。

ゲームのために生きている状態から、自分の力だけで脱することなどできません。

怒鳴りつけたりして何とかなるものではないのです。

できるだけ早く専門家の助けを得る必要があるのです。

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まとめ

良くも悪くも、人は、自分だったらどうだろうか、という基準で考えがちです。

たいていの人は、ほどほどにしかゲームをしていません。

ですから、その気になればセーブできるし、説得すればわかってくれる、自制できるはずと思ってしまいます。

その視点で見ると、ゲーム依存の人が理解できません。

アドラー心理学は、相手の視点で物事をみることが大切だといっています。

自分だったらゲームをやめられるかどうか、は依存症に関しては何の基準にもなりません。

完全に理解することはむつかしいですが、依存症の方の気持ちになり、考えてみて下さい。

心の隙間をゲームで埋めている状態から解き放たれるには、まったく別のもので、心の隙間を埋める必要があります。

依存症の専門医と相談しながら、自分の心の隙間を見つめる勇気が持てたとき、依存症から一歩抜け出すことができます。

その気になれば、克服できる力が備わっていることを、依存症で苦しむ本人が信じることができ、自分の人生を取り戻すことができることを願います。