親戚のおじさんは介護が必要な方ですけど、娘さんは「絶対にお父さんの介護はしたくない」と言ってます
それはなぜだと思います?
ん~娘さんの父親に対する理想像を崩したくないとかですかねぇ
鋭いですね!今日は、そのあたりについて心理学的なアプローチをしますね!
介護経験のある女性に、誰を介護したのか調査をしたところ、実母が64.8パーセントあるのに対し、実父は36.2パーセントやく半分でした。
娘の立場から見て、母親は介護できても父親はむつかしい実態が読み取れます。
この差はどうして生じるのでしょうか。
そもそも頑固
現在、要介護認定を受けてみえる方は戦前戦中生まれの方が多いです。
父親は家族の中で一番偉くて当たり前という方が多い世代です。
平成ボーイと一緒にしてはいけません。妻に対し「めし・風呂・寝る」とだけしか言わなくても妻も黙っていてくれた時代の人たちです。
これはこの時代の価値観ですから、否定はしません。
しませんが、娘は合わせてくれません。
娘の世代は思います。
「助けてもらってお礼の一つも言わないってどうよ」と。
妻は主人だから仕方がないと思ってくれます。
でも娘は思います。
「そんなにお父さんのわがままに付き合っていられないわよ」と。
また父が働き母が家を守るということが当たり前だった時代ですから、年金も母より多くもらえる可能性が高いです。
年金が多いということは、施設という選択肢も幅が広くなるということです。
施設の利用料金を払い続けるめどが立てば、どうしたって思います。
「頑固なお父さんの介護はプロに任せましょう」と。
実際高額な老人ホームは男性の割合が高いです。
本人が嫌がる
前項の話にかぶりますが、戦前戦中生まれは男のプライドも高いです。
娘の世話になって生きていくなんて、男の沽券にかかわります。
平成ボーイが高齢者になったころには、今より娘も実父の介護にかかわりやすくなっているかもしれないと思うくらいです。
本当は娘の介護を受けるなんてプライドが許さないけど、現実は娘の介護を受けないと生活が回らない。
その結果、せっかく娘が買い物をしてくれても、「そんなものいらない」と言ってしまったりします。
歩くのが大変になっているから娘が手を貸そうとしても「いらんことするな」と振り払ったりしてしまいます。
素直にありがとう言って娘の支援を受け入れることができたらお互い楽なのに、高齢になったお父さんはそんな簡単に生き方を変えられません。
こうなると娘は思います。
「それならいっそプロにやってもらったほうがお父さんも気が楽じゃないの」と。
まとめ
もちろん異性ですからおむつ交換することに母親より抵抗を感じてしまうということもあるでしょう。
そこに世代間ギャップが加わればさらに抵抗が強くなります。
基本、すべての人は自分の価値観が正しいと思っているので、歩み寄る努力をお互いしないとどうにもならないです。
しかし父親は娘が自分に合わせて当たり前と思ってしますし、娘からみれば父の生き方は時代遅れです。
結果的に介護を続けるには精神的負担が大きすぎることになります。
その他、現実問題として、男性は体が大きいということがあります。おむつを替えるのも、歩くのを手伝うのでも、立ち上がるとき体を支えるのも、相手の体が小さいほうが楽です。
娘も大抵50代60代となっているので、腰を痛めていたりします。
そうなると介護をしたい気持ちがあったとしても体が許しません。
まだ介護を必要としていない男性の方は、今から心がけたほうがいいかもしれません。
娘は妻とは違います。
いざという時助けてほしかったら、日ごろから優しくしておきましょう。